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故宮博物院

中国語表記:故宫博物院   

住所:北京市東城区景山前街4号   

公式サイト:http://www.dpm.org.cn/Home.html   

最終更新日時:2018-07-24 16:16:37

「故宮」は1987年にユネスコによって『世界の文化遺産』に登録された。正式名は「故宮博物院」、または「紫禁城」。現存する世界最大の木造建築群である。敷地面積は72・5万平方メートルで、東京ドームおよそ15個分。この広大な敷地は中国最後の二つの封建王朝、明・清の皇居として使われ、500年間の間に24人の皇帝がここで暮らし、国を治めた。
明の時代は一度焼却したが、清の時代に再建され、修築を重ねて今に至った。建物自体が文化財として一般公開している。さらに数多くの国宝がこの中に保存され、展示されている。明・清の時、故宮は北京一高い建物として皇帝の権威を示していた。ここでは、即位・成婚など皇室にとって重要な式典のほか、古代文人にとって一番重要な科挙最高試験も行われた。
大きな城は「外朝」と「内庁」に分かれ、皇帝の仕事と暮らしの場にもなっていた。「外朝」の中軸線には大和殿、中和殿、保和殿といった高い建築物があり、皇帝はここで大臣と面会し、国家権利を行使した。「内庁」には乾清宮、交泰殿、坤寧宮といった宮殿があり、皇后と妃らはここで暮らしていた。
今の故宮は博物館として、毎年多くの観光客が訪れる。四季に渡り風景が変わる。展示品はいずれも皇室で使われた品々で、当時最高の技術が詰まっている。美しい風景、貴重な文化財、長い歴史が感じ取れる建物、その故宮の全貌を探ってみよう。

珍宝館
故宮博物院にあるこの「珍宝館」では、清の宮廷珍宝を展示している。大きな祭典や皇室の日用品など、高級な品々ばかりだ。
最上級の金、銀、玉、真珠をふんだんに使い、豪華で細部にも精巧な造りで、時間が経っても当時の工芸技術の高さが分かる。古代王妃のアクセサリー、こだわりのある部屋のインテリア、日用品まで豪華な造りで、昔の皇室の贅沢な生活ぶりを現している。

鐘表館
中国では清の時代から、宮廷の中では従来の時計を機械式の置時計に大量に替えた。そのためここ故宮博物院の収蔵品の中には、中国製の時計だけではなく、フランス、イギリス、スイスなどの国からの精巧で美しい置時計がたくさん展示されている。
中国内では広州、蘇州周辺が時計製造に長けており、多くの品はここから皇帝と宮廷に献上された。国外では、イギリスから送られてきたものが一番多い。時計が持つ「時間を知らす」という役割だけに留まらず、装飾品の一つとして皇室のメンバーに愛され、より珍しいものを集め、互いに競っていた。
大きな置時計には絢爛豪華な装飾が施され、参観客を魅了する。また、時計の指針の動きで装飾した人形が動き、まるで紙芝居のように一つのストーリーにもなる。昔の技術が高度に発展していたことが伺える。

陶磁器館
過去には、中国といえば陶磁器というイメージが根強かった。「中国」の英語表記は「CHINA」だが、この英単語のもう一つの意味は「磁器」。言葉の意味からも両者の関係が伺える。
遥か一万年前、中国大地で生活している祖先はすでに陶器を作り始めていた。そして、今から三千年前、商の時代では簡単な陶磁器も焼けるほどに技術は進歩した。それからますます発展し、今からおよそ千八百年の漢の時代になると、ちゃんとした陶磁器も作れるようになった。
以降、紅陶や彩文土器から始まり、三彩、白磁、青磁、青花、五彩などの華麗な器を作り出し、世界の陶磁界をリードしてきた。高い技術が評価さら、世界各地からの注文が殺到。フランス皇室はこぞって中国の陶磁器を使い、自分の地位と財力を昂じていた。
故宮博物院の「陶磁器館」では、収蔵されている四十万件の陶磁器の中から厳選した四百件を公開している。どれも中国を代表するといっても過言ではない宝だ。また。時代の流れの順で展示し、その美しい造形や色彩を鑑賞するだけではなく、製陶技術の発展や違う時代における美への理解や好みも分かってくる。

青銅器館
中国の青銅器時代は約紀元前十七世紀初から始まり、千五百年も続いた。鉄器も技術の発展で後に使われるようになったが、青銅器は一種の祭祀用として、鉄器に代替されることなく使用された。当時では、青銅器は貴重なもので、地位のある人だけが使えた。青銅器の大きさや重さは地位や財力の象徴ともなった。
そのほか、楽器や兵器にもよく青銅は使われ、広大かつ精緻を尽くしたこれらの青銅器は今になってもその高い芸術性で賞賛される。故宮博物院には一万五千件の青銅器が収蔵され、先秦時代の青銅器だけで千六百件近くある。この「青銅器館」は青銅器の歴史を通して、中国皇室の文化も紹介してくれる。

彫刻館
故宮博物院にある彫刻館は「慈寧宮」にあり、展示品の種類によって五つのスペースに分かれる。展示面積は1375平方メートルで、総展示数は425件。中には陶俑、仏像、画像磚がメインだ。
陶俑は戦国時代から明にかけてますます技術が進歩した。秦の兵馬俑はその代表だが、数で言うと、漢と唐の時代が多い。陶俑を年代順に見ると、各時代において彫刻の技術や審美の変化が分かってくる。また仏教の影響で、仏像や仏教関連の彫刻品もここでは見られる。
あまり聞いたことのない「画像磚(がぞうせん)」というのは、煉瓦に下書きをしてから粘土で形を整え、彫刻をしてから焼かせたもの。形から、方形煉瓦と条状煉瓦に分類できる。今、故宮の公式ホームページでは、3D技術を使い、インターネットを通して彫刻館の中の様子が見られる。

戯曲館
昔の人にとって娯楽は限られていて、特に中国の皇室では時間や金に余裕があり、よく集まってイベントをやっていた。その中、特に人気があるのは戯曲観賞だった。
戯曲は中国の古典的な演劇で、「戯」は舞踊や雑技、「曲」は歌の意味で、劇中に舞踏や歌謡が用いられているのが特徴。京劇はその代表の一つだ。北京の故宮博物院には「戯曲館」があり、清の時代の宮廷戯曲に使っていた衣装や舞台道具、戯曲の史料などが展示されている。
清王朝を築いたのは遊牧民族だった満族だが、彼らには、焚き火を囲んで踊るという習慣があった一方、安全面も考え、規則正しい宮廷では制限され、また漢民族の文化にも影響され、戯曲を見ることへと嗜好が変わった。特に乾隆帝の時代では国が安定し、国庫が充実しており、乾隆帝が派手な催しが好きだったこともあり、宮中の戯曲も大きく発展した。豪華な衣装や舞台セットが作られ、新しい演目も次々と上演された。
また、当時の戯曲は宣伝手段の一つとして、創作中には皇室への忠誠などの内容も加えられ、教育的な目的で朝廷の大臣を招いてそれを見せたという。故宮の戯曲館では、戯曲で使われていた多くの文化財が保存、展示されている。演目の脚本、戯画、楽器、衣装が展示され、戯曲の歴史を通し、当時の皇室の生活ぶりも伺える。

書画館
中国の書画はその墨と水が作り出した独特な雰囲気で世界多くの人に愛されている。墨の濃淡、また色合いの微妙な違いで、まったく違う世界観を出す。時代の流れにつれ、各時期違う書体で表現した書の名品も収蔵品として人気は高い。故宮博物院では、これらの書画を展示している「書画館」があり、数多くの古代書画が収蔵、展示されている。晋や唐の時代の善本古書から、明や清の時代の代表的な書画家の作品など、違う時代における書体、描き方の変化が見られる。
書画が表現する高い芸術性だけではなく、より長く保存できるよう施されているきれいな「装裱」も見所の一つ。作品によって、装裱の材質、柄、色合いも変わる。「装裱は書画の命」という言葉のように、紙や布にある書や絵は、美しい装裱をしてから、本当の芸術品になる。故宮に収蔵している絵画、壁画、版画、書道作品などは十四万件を超え、その中でも厳選された名品だけが展示されている。中には国宝とされる国外不出の名宝も多く、ここ故宮博物院の書画館でだけが見ることができる。

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