北京坊

　正阳門の南、大柵欄の北、西城区の廊坊頭条には、厚みのある伝統建筑とファッショナブルな現代建筑が通りの両側に並んでいます。ここでは古今文化のぶつかり合いを感じることができるだけでなく、くつろいだ生活の趣を楽しむこともできます。ここは古今東西の文化が混じり合った観光地――北京坊です。

　通りに沿って歩いていると、高いバロック式の建築物が目に入ります。黄白色の西洋風の建物、入り口にそびえる西洋風の柱、精巧な彫刻がある扉や窓は、多くの人を引きつけ、ここで写真を撮る観光客がいっぱいです。街中の「最も美しい建築物」とも言えるこの建物は、百年の歴史を持つ勧業場でした。

　勧業場は1905年に建設されました。最初は「京師勧工陳列所」と呼ばれ、中国最初の在フランスデザイナーの沈理源氏によって設計されました。1936年に北京勧業場と改名したのは、「人の勤勉を勧め、実業を振興させ、国産品を提唱する」という意味で、実業強国に対する時代の希望を示したものです。

　清朝末期、北京坊では庶民が食べ物、衣服、生活用品、おもちゃといった色々な商品を買うことができ、北京城ショッピングモールの元祖と言えるでしょう。

　今、勧業場は展示会場として一般公開できます。屋上まで続く巨大なガラスの天窓は広くて明るく、ロマンチックな雰囲気を作り出しました。時に芸術展や有名人の講演、文化サロンなども開催されます。中に入らなくても、外でこの西洋風の建筑と写真を撮ることもおすすめです。

　「北京旅游」WeChat公式アカウントをフォローする方は、この街の入り口にある大人気の書店PAGE ONEがご存知のでしょう。

　この書店は繁華街にありながらとても静かで、24時間営業のため店の明かりはいつでも消えません。店内のインテリアデザインはとても独特で、天井が広い星空のようで、両側の高い本の壁が屋根まで伸びています。多種多様な本と飲食区以外に、この書店の最大の特徴は、お客様の撮影のニーズを満たすことです。

　二階の腰窓から外を眺めると、北京の中心軸線上にあるランドマークである正陽門が高くそびえていることが見えます。それだけでなく、西には1915年に建てられた塩業銀行の旧跡があり、東には前門大街の牌楼も見えます。ここでは、歴史と現在、商業と文化が絡み合っています。

　ここまで話すと、数軒の老舗を紹介しなければなりません。交通銀行、塩業銀行、宝恒祥金店、三陽金店の4軒の店は民国時代にける民族工商業の代表です。今、この4軒の店はリフォームされましたが、レンガからは大柵欄商業地区の興亡栄辱を感じられます。

　歴史を感じるだけでなく、ぶらぶら散歩したり、ゆっくりと食事をしたりすることもできます。アフタヌーンティーや食事なら、行くべき店がたくさんあります。北平花園、美炉火鍋、Ms.Na、TiensTiens、局気、雁舎、提督、英園……いずれも特徴のある優れた店です。

　階段をのぼると曲がりくねった回廊があります。灰色の壁と斜めの屋根が互いに照り映え、ある角度から写真を撮るとドームをレンズに入れることができます。反対側からは北京南城にある古い民家を眺めることができ、青灰色の壁や、夕日の時の路地からの明かりなど、独特の「北平の色」は人の目を奪います。

　北京坊には、建物と建物の間が胡同のように設計されており、重たい灰色と鮮やかな赤色が絡み合っています。道の先には古めかしい牌楼があり、北京ならではの雰囲気に満ちています。

　北京坊では、見慣れない親切感が感じられます。ぜひここでレトロなファッションファッション写真を撮りましょう。

　北京坊をそぞろ歩くと、光と影の間、建筑と巷の中では、歴史と現代の融合とぶつかりが感じられます。過去の繁華はかつての輝かしいですが、現在の繁栄は歴史を重ねてきたものです。中国と西洋、過去と現在の文化がぶつかり合い、文化と商業が融合し、このような北京坊は魅力的ではないでしょうか。