西総布胡同

　北京にはこのような胡同があります。胡同の両側には人民で、住民宅からは雲の中にまっすぐにそびえているCBDの高層ビルを眺めています。古と今は僅か一つの街を隔てて、ここで新旧交代と時の流れが見られます。歳月の流れは一つ一つのレンガの中に形跡を残していました。

　西総布胡同は今まで600年の歴史があります。東城区東南部に位置しています。東は朝陽門南小街、西は東単北大街、南は新開路胡同、北は外交部街胡同に隣接しています。全長は754メートルです。

　明の時代、ここはかつて総捕衙署を設けたので、総捕胡同と呼ばれました。その後、総捕という名称は縁起が悪いので総舗胡同と改めました。清の乾隆の際に総部胡同と呼ばれ、宣統の際には朝陽門南小街を境にして、東西総布胡同と分けて呼ばれました。

　胡同を散歩していると、両側は灰色の壁と青瓦で、古くて静かです。いろいろな形の赤い漆の門が随所に見られ、灰色の壁と赤や緑の窓が互いに映えています。道の両側の壁には豊富な撮影作品が展示されて、「北京の味」を見つけることができます。

　西総布胡同は「談笑に鴻儒あり、往来に白丁なし」といっても過言ではありません。ここから無数の思想、作品、人材が輩出してきました。この一見目立たない赤い漆の門が西総布胡同74号院です。有名な画家董希文の大型油絵「開国大典」はここで完成したものです。

　西本胡同21号院は元々李鴻章の祠堂で、清朝が北京で、漢臣のために建てた唯一の公式の祠堂です。今はすでに民家になり、かつての面影を見つけることができません。

　この民国風の二階建ての青レンガの小さな楼閣は、西総布胡同60号の庭で、まさに1938年に設立された薬の有名な宝善堂です。

　19号院の西総布小学校は100年の古い学校で、1922年に北京最初の電車会社に公用住宅として借りました。やがて、初の路面電車線が開業しました。これは北京の人達が得々として語っている鐺鐺車(北京の路面電車の別称)です。

　西総布胡同9号の李公館は、元々中央人民政府副主席の李済深氏の旧居で、現在は中国国際友誼促進会となっています。

　今の西総布胡同は改造された路面が広くて快適で、建国門地区初の駐車しない胡同です。ここでは古今の風景が交錯していて、様々な色の写真が撮れるため、多くのネットユーザーが写真を撮る超人気の場所となっています。

　この物語のある路地を歩いていると、歴史の名残がまだ残っていて、現代の匂いが漂ってきます。北京CBDの繁華街は遠くないところにあります。伝統的な民家と現代の都市ビルは、北京の日進月歩の発展を共に物語っています。