福州新館

　福州新館は清嘉慶21年（1816）に創建され、林則徐が北京に駐在していた時に調達して購入し、清代に福建省出身者の集会所として利用されていました。敷地面積は669平方メートル、延床面積は466平方メートル。

　林則徐は北京で暮らしていた7年間（1813-1820）、主に宣武門の南側（宣南）に居住し、福州新館を重要な活動場所としました。また、この時期は、彼の愛国心が形成された重要な時期でもあります。アヘンが氾濫していた清の道光年間、林則徐は道光帝に対しアヘン禁輸を八回も訴え、道光帝が禁煙を決定するまでに至りました。道光19年（1839）、林則徐が虎門でアヘンの取り締まりを敢行することは、中国民衆が外敵の抑圧に抵抗する闘志を世界に示しました。

　2019年6月3日は、虎門銷煙（アヘン廃棄）から180年目の節目となりました。同時に、福建新館が新たな姿を見せるきっかけを迎えました。2019年、北京市は福州新館を林則徐禁毒教育基地として開所し、開所機関は北京市禁毒委員会で、この年は福州会館が建設されてから203年となります。

　福州新館は、今年の「会館で有戯」で曲劇「林則徐は北京にいる」を披露しました。劇中では、林則徐の下僕である林義が劇のストーリーを貫くキャラクターとなり、観客を館外の広場、応接間から奥座敷までの3つの異なるシーンに誘導し、シーンの変更を通じてストーリーを展開させます。観客は、役者とともに比較的閉ざされた空間にいながら、全く距離を感じず、まるで劇中のキャラクターと一緒に考え、行動し、選択をしているような感覚を味わうことができます。