霊境胡同

霊境胡同は西単北の北東に位置し、東は府右街から、西は西単北大街まで、全長664メートル。その後、何度か拡幅され、1992年に北京で最も幅の広い胡同となり、その幅の最も広いところで32.18メートルであった。霊境胡同は急速な変化を遂げ、幾度もの歴史の変遷を目撃し、人々にその文化の奥深さと風格を見せてきた。
明代には東西に分かれ、東部は霊済宮と呼ばれていた。西部は宣城伯後墻街を称して、南側が宣城伯府第の故、この名を取った。清朝の時、西の黄城根南街を境にし、東の段は「霊済宮」のため「林清宮」に改名し、故に林清胡同となった。西側は細米胡同と呼ばれた。民国になると、東側は皇城根、西側は霊境胡同と改名された。中華人民共和国成立後、東西が合併し、「霊境胡同」となった。現在、霊境胡同は辟才胡同と東西に相対し、西単北大街の両側、東は府右街から西は太平橋大街までの広い大通りとなっている。
西単北大街を北に曲がって車の往来が盛んな霊境胡同に入ると、「明清皇城西南城壁角旧跡」という看板が目を引き、人々に「皇城根」の歴史的変遷を語っているようだ。西黄城根街南口の頂管工事の中、明清の皇城の城壁基盤が発見され、発掘の結果、明清の皇城西南角の正確な位置が明らかになり、元代の金水河の分岐点から皇城に入る位置が確定し、北京の都市発展史の研究に貴重な資料を提供した。水門と溝の発見は、元代の金水河が分岐して皇城に入った位置をほぼ確定しただけでなく、この支流が少なくとも明代初期には淀んでいなかったことを証明している。現在は文化的景観として残されている。
霊境胡同33号院は最後の帝師の住居だ。陳宝琛はラストエンペラー溥儀の師で、若くから翰林に入り、直言を行い、張之洞、張佩綸、宝廷とともに「枢廷四諫官」と呼ばれた。陳宝琛は溥儀の先生であった3年間、すごく恩寵を受けた。当時、陳宝琛はここに住んでいた。残念なことに、今では庭の大半が取り壊されて跡形もなくなってしまった。
33号院が完全に消失しそうになったのは、その年に院を解体した時、ここは「動かせない文化財」ではなく、鉄道局の職員宿舎だったため、ここは当時何の保護も受けていなかった。その後、中国古跡遺跡保護協会北京文物協会が奔走してようやく保存されたが、残っている院落も一部にすぎない。
霊境胡同41号院は開国将軍の住所である。「豫西伏牛，朝鮮打虎，宏謀韜略湛深；電掣風馳，戰鬥一生，欽盡瘁。領袖學生，人民兒子，赤膽忠心不朽；松青柏勁，河嶽同壽，看長明。」これは哈軍工(中国人民解放軍軍事工程学院)が陳賡大将に献呈した「挽連」で、人々の深い哀悼の意を表している。
ある住民は次のように回想した。「かつて陳賡将軍の家は私たちの家と向かい合っていた。彼はよく夕食後にベストを着て、手を後ろに組んで外に出て、年老いた連れの後を追って、あちこち散歩していた。彼とわたしの親父はおしゃべり仲間で、将軍は誰を見つけても誰とでも話をして、少しも気取っていなかった。」
改造の中で歴史文化の街区の風貌の保護の尺度を把握する。西単-積水潭橋街区の環境整備向上プロジェクトの中で、最初にスタートしたもので、今年の初め、霊境胡同-西四路区間の全要素が新たに登場した。日陰が涼しく、歴史が発見でき、物語があり、緑がいっぱいで、乗り心地が滑らかで、長い古代の魅力と現代ファッションの融合がある通りは人々の前に現れた。