霊水村

　霊水村は永定河の畔にある真珠とされ、以前は凌水村と呼ばれ、永定河の支流である清水河のほとりにあり、山が澄み、人が美しいところです。明・清の時代には、科挙試験を受ける人や科挙試験に合格する人が多かったので、「京西挙人村」と呼ばれるようになりました。

　霊水村の人々は古くから文化を尊び、教育を重んじてきました。明永楽8年（1410）には、村に社学と多くの私塾を設立し、年齢条件を満たした村の子供たちはすべて教育を受け、目覚しい成果を収めたということです。

　国子監の卒業生も政府に入ることができるため、入学を希望する人が多かったです。霊水村出身の国子監の多くの生徒の中で、最も代表的なのが劉懋恒です。国子監で学んだことが、彼のキャリアをスタートさせることになりました。康熙帝の時代、劉懋恒は山西省汾州の長官を務め、その優れた業績により宮廷から栄誉を受け、その一族は王族としての称号を与えられました。劉茂恒とその父、劉応全は、自然災害の際、高齢者や村民のために3回の大規模な災害救援活動を行い、多くの感動的なエピソードを残しています。

　清朝末期の学者である劉増広は、劉家の義挙を記念して、毎年立秋に「秋粥祭」を開催することを提案しました。それ以来、毎年立秋の日になると、村中の人が集まって、自分たちの米や豆、鍋や薪を持ち寄って、村中の人たちのために大きな鍋をいくつも作って、男も女も子どもも一緒に碗を持ってお粥を飲みます。これは、慈愛の文化を広め、村全体をひとつにするための公益活動でもあり、現在では世界中から参加者が集まる一大イベントとなりました。