河北博物院

　紀元前1600年から紀元前1046年まで、殷王朝は中国を統治していました。河北省は殷王朝の主要な活動地域の1つであり、殷王朝の初期と中期に、首都は河南省の北部と河北省の南部地域内で五回も引越しをしました。一部の学者は、邢台市（けいだいし、中国河北省に位置する地級市）がかつて殷王朝の州都であったと信じています。

　これまでに河北省で100以上の殷王朝の遺跡が発見されました。多くの発掘された文物から見ると、殷王朝の祖先たちが鉄、漆器、陶磁器、織物、薬、建築などの分野で世界で最も先進的な技術を生み出しただけでなく、彼らが作った青銅器も極めて目立っていました。

　青銅とは純銅、錫、鉛の合金で、融点が低く、硬度が高く、鋳造が容易であるという特徴があります。殷王朝の最も進んだ技術の1つであった青銅の製錬と鋳造は青銅器時代という新しい時代を切り開きました。青銅器時代は紀元前16世紀頃に始まり、紀元前4世紀に終わりました。青銅器時代は、殷王朝の後期にピークに達しました。

　河北博物院の「河北の殷王朝文明」展示エリアは972平方メートルの面積を有しており、203個（セット）の文物が展示されています。展示は銅器鋳造文明、中国の最も古い鉄器、木製の井戸、先祖が使った陶器、手厚く葬る習慣、最も古い平織りのシルク織物、古代の医療機器、原始的な磁器の出現、優れた漆器の製造工芸、邢台の西部に暮らしていた先祖の家屋建築、中国の最も古い酒麹の11の部分に分けられています。

　これらの文物を通じて、殷王朝の祖先によって作成された素晴らしい青銅器文明が紹介され、殷王朝時代の河北省の様子も示されています。これは古代の青銅器の研究、青銅器と古代の礼儀と音楽文化の意味の解読、中国の伝統的な歴史と文化の探求には重要な意味があります。