中国鉄道博物館（東郊パビリオン）

中国鉄道博物館は鉄道分野で唯一の国家級専門博物館で、前身は鉄道部科学技術館で、主な任務は鉄道文化財や科学研究成果などの展示品の収蔵、保管、陳列、展示および編集・研究業務を担当する。中国鉄道博物館には、正陽門パビリオン、東郊パビリオン、詹天佑記念館の3つのパビリオンがある。
天安門広場の南東側に位置する正陽門パビリオンは、旧京奉鉄道の正陽門東駅の跡地を改築したもので、紆余曲折を経たヨーロッパ風の建物だ。正陽門パビリオンは、中国鉄道の130年以上にわたる困難な道のりおよび新中国成立以来の中国の調和のとれた鉄道建設の輝かしい成果と美しい将来性を示している。
東郊パビリオンは北京市朝陽区の酒仙橋の北側に位置し、建築面積は20500平方メートルで、鉄道車両展示室と総合展示室に分かれている。鉄道車両展示室には中国鉄道の異なる時期、タイプ、方式の車両100台余りが展示されており、特に中国に現存する最古の蒸気機関車「0」号と革命指導者の名を冠した機関車は中国鉄道文化財の中の「宝」と言える。
詹天佑記念館は世界的に有名な観光地である八達嶺長城の北側に位置し、我が国の近代鉄道建設史において傑出した貢献をした爱国者、詹天佑を記念するために設立された特別人物記念館である。詹天佑記念館は4つの展示エリアに分かれており、同氏が勉学に励み、鉄道建設に身を投じ、抗清・道路保護、辛亥革命擁護に至るまでの歩みを紹介している。また、生前に詹天佑氏が使用していた測量機器、用具、印章、勲章および京張鉄道の施工用具などが展示されている。
それぞれ特色があり、かつ互いに補完し合うこれらの会場は、鉄道の歴史的遺産の保護、鉄道の科学技術知識の普及、鉄道建設の成果の宣伝などの重要な機能を共に果たしている。